不可視な世界

非対人性愛・人間と非人間の関係性・神経多様性・クィアな世界制作

フィクトセクシュアルや非対人性愛について入門向け文献案内

最近、このような文献案内が流行しているようですね。私も自分の文献リストをお勧めしたい。もちろん、それは私自身の研究趣旨や読書の好みに影響されていますが、他の人にも啓発を与える効果があると考えています。また、私は日本の学術制度に馴染みがない…

『戦闘美少女の精神分析』を読む②:反転したヒステリー

『戦闘美少女の精神分析』を読む」は、郝柏瑋心理士と私が去年行った講演「非対人性愛の多重見当識:『戦闘美少女の精神分析』をクィアリーディング」の成果整理です。文字数が多すぎることに気づいたため、2つに分けました。この記事は10252語で、これほど…

『戦闘美少女の精神分析』を読む①:虚構それ自体に性的対象を見い出すことができる人

「『戦闘美少女の精神分析』を読む」は、郝柏瑋心理士と私が去年行った講演「非対人性愛の多重見当識:『戦闘美少女の精神分析』をクィアリーディング」の成果整理です。文字数が多すぎることに気づいたため、2つに分けました。この記事は10103語で、これほ…

家の思考:「居場所」と「家関係」

余所者:一つの懸念は、ファンやシリアスレジャー活動のレベルから見て、通常、ファンライフの離脱段階は、一夫一婦異性婚関係に入ることです。そのような経済共同体の中で、ファンのような過剰な関与や消費を許可する人はほとんどいません。オタクの場合、…

フィクトセクシュアル・アンブレラ:キャラ性愛、二次元性愛、AI性愛、そして科学空想的なステレオタイプ

近年、AIは注目される話題となっています。そのため、私がフィクトセクシュアル(Fセク)について話題にすると、多くの人が次のような質問をします。 Fセクとは、AIパートナーを好む人たちのことですか? AIパートナーを愛する人は、Fセクに含まれますか? A…

とあるフィクトセクシュアルから見た光景と再帰性

鈴木さん(仮名)は私の最初の研究協力者です。私はフィクトセクシュアルとしての生活経験について鈴木さんにインタビューし、それを私の会議論文「Fセクの境遇とその逆説」(4月20日に論文集として発行予定)に発表しました。 鈴木さんにインタビューを行…

自傷や身体変工におけるエージェンシー

身体は美の「キャンバス」であり、美の「白地図」と言われることがあります。色が塗られるのを待ち、その中の「美しいさ」が発見されるのを待っているというわけですが、それは本当でしょうか?私が自分の指に注目し、皮膚の表面を注意深く見て指紋を見つめ…

二つの関係性:フィクトセクシュアルな「縁」と「絆」

昔、初めて「フィクトセクシュアル」という私のフィールドを人形劇人類学者のテリ・シルヴィオ先生に説明した時、シルヴィオ先生は興味津々で、それが漢民俗の「冥婚」とどのように類似しているかを尋ね、両者を比較研究することを提案しました。その質問を…

ヒト-モノ関係性における概念細分と対物倫理

*この記事の一部は、以前「対物性愛と人形愛の序説:非対人性愛・万物のジェンダー・対物倫理」という講演、および「アニメイトな類縁関係・非ヒトな家族:前近代東アジアの冥婚から現代のフィクトセクシュアル婚まで」という会議論文で発表されました。 少…